コンセプト
心理リハビリテイションとは、「動作法」を中核とする集団療法や生活指導、研修や保護者の会などを含む支援プログラムです。心理学的な発想をベースにした多面的な支援プログラムということができます。
なぜ、動作法だけではないのか。それは、支援の包括性、生活の場面を活用した・共にしながらの支援、当事者だけでなく家族サポートや支援者の育成といった最近では当たり前になってきたコンセプトを内包するねらいがあったからです。
「創始者である成瀬先生にそのお考えを詳しくお聞きしておけばよかった」とは叶わぬ願いですが、先生は研究者、開発者、実践家であるとともに卓抜なコーディネーターでもあり、先を行くリーダーでもありました。
成瀬先生は、九州大学に動作法を受けにきた人たちに、各地での活動を推奨しました。またたく間に全国に親の会や研究会が立ちあがり、住んでいる地域で動作法が受けられるようになっていきました。正確には、各地で心理リハビリテイションを実践できるようになったというべきでしょうか。行政や学校、施設といった関係機関を巻き込みながら、単に動作法を実践する人と受ける人という構図だけでなく、人のつながりや養成を図り、地域そのものを育ててきました。
みなさんの住んでいるほとんどの地域で動作法を受けることができます。同時に学ぶことができます。あるいは動作法の会を起こすことができます。これこそが心理リハビリテイションのコンセプトなのです。