【リレーエッセイ(保護者11)】

【リレーエッセイ(保護者11)】

稲垣 順子

埼玉県の広田さんからバトンを頂きました。長野県の稲垣花(28歳)の母です。

娘は普通分娩で出産。上の子もいたので成長の遅さを感じ生後6ヶ月でPTを始め、1歳の時に脳性麻痺・四肢体幹機能障害という診断をされ、それからPT.OT.STの訓練が始まりました。

動作法は小1の7歳から始めました。娘は知らない人とやることで泣き、体を触られて泣き、きつい体勢で泣き…2年近く訓練中泣いていて、もう辞めようかなーと何度考えたことか。
その後やっと訓練に向かう姿勢ができたかなーと思ったら、小6〜中2まで反抗期。やりたくない事は嫌!と体に力を入れて抵抗したり、トレーナーの手を噛んだり、トイレに行きたいと訓練を止めようとしたり…高校に入ってからやっとしっかり訓練に取り組めたかなと思います。

娘が動作法を初めて得た事はできる姿勢が増えたのもありますが1番は色んな方とコミュニケーションが取れるようになった事が1番大きな成果かと思います。今の娘を知っている方は想像もつかないかと思いますが3歳から会話はできるのですが、知らない人とはしゃべらない、泣く…そんな娘を見て当時のSVの先生は
「この子は人の助けがなければ生活できないのだから、他人にお願いします、ありがとうと言えるように、誰とでもコミュニケーションが取れるようにしよう」
という事で、老若男女トレーナーを付けて頂いたり、人前で話すのが苦手だったのでキャンプ中の食事の挨拶は毎日回ってきたり色々な体験をさせて頂いたお陰で今の娘は誰にでも興味を持ち、話しかけたりできるようになりました。こうなるのも何年もかかりましたが長い間取り組んで頂いた成果だと思います。

長野県ではコロナ前は毎年夏に6日間キャンプを行っていました。段々参加者も減り4日間キャンプも併用するようになりました。他県の方達の参加もありやっと開催できる感じです。
娘は小3から15年連続参加しています。キャンプはみんな同じ方向を向いて活気があり、それがすごく好きです。娘は体が弛んだり、他県の方に会えたりするのを喜んでいたり、親は夜の親の交流を楽しんでいます。娘は車イスなので私の体力もいつまで続くか自信はありませんが、下の年代の子達にも経験して欲しいのでまたキャンプを再開させたいな!と考えています。

なかなかじっくり振り返る事がなかったのでバトンが渡されて色々思い出す機会を頂きありがとうございました。

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