【リレーエッセイ(保護者10)】

【リレーエッセイ(保護者10)】

広田 徳子

静岡県の石原さんからバトンを頂きました。埼玉県の川越動作法の会 広田明理の母です。

今回は息子が動作法に出会うまでの内容とキャンプ体験の様子を主体にお話したいと思います。

次男は普通分娩で出産。生まれたときから、周りの赤ちゃんより成長がゆるやかでしたが気にもとめていませんでした。しかし、生後9ヶ月の時、脳性麻痺による四肢体幹機能障害 身体障害手帳1級1しという診断がくだされました。

神経内科の先生から、この子はどう成長するか分からないので、リハビリを頑張りなさい。という指示を頂いた。

障害児をもったことも、育てたこともない中、この子とどう向き合い、育てていけばいいのか何もわからずただただ、藁をもすがる思いで、PT,OT,STに通っていました。

そんな時、同じく脳性麻痺の子を持つ親御さんと出会い、その方がネットで動作法を知り、成瀬悟策先生にメール、埼玉県民活動センターでミニキャンプを開催している情報を教えて頂き見学をしました。これが私と心理リハビリテイション動作法(島村先生)との繋がりです。

しかし、会はどこもいっぱいでトレーニーが入れる会は1つもなかったです。
諦めかけていたら、トレーナーの先生(島村先生)がご好意で月1回川越に来て自宅でお子さん3名を見ていただけることとなり、とても嬉しく有り難かったです。本当に感謝。

動作法と出会って2回目の訓練会の時、他県で1週間キャンプがあるので参加してみては?とトレーナーの島村先生に言われ、とにかく子供が少しでも良くなるならと参加を申し込みました。

キャンプデビューは(当時1歳11ヶ月)、愛知キャンプにて参加。その時25周年記念で成瀬悟策先生のセッションを初めて見学。トレーニーが腰も首も座っていないのに、成瀬先生が手を添えると徐々に安定したあぐら坐···魔法の手?何故?どうして?と胸が熱くなったことを今も覚えています。
キャンプ前で既に動作法に魅了されている私がいました。

さて初キャンプ、寝ることも多かった息子ですが、それでも日を追うごとに、寝返りをするのも大変だった体が、寝返りを軽くこなし、最終日には肘でしっかり身体を支え高い所に手を伸ばすところまでいきました。益々動作法の虜になっていました。

また、キャンプは親同士の夜の交流があり、子育て先輩ママと涙あり笑いあり、不安でいっぱいだった私の心も体も軽くなり前向きにさせて頂きました。
後に兄弟も参加、親だけでは出来ない、子供達同士の心のケア。本当に動作法キャンプが私達家族を救ってくれました。

コロナ禍では約4年間キャンプが出来ず本当に辛く大変な時期でした。しかし、昨年(2023年)静岡キャンプ、今年(2024年)愛知キャンプが行われ、少しづつ以前に戻りつつあるキャンプ開催に感謝しています。

現在息子は20歳、キャンプ経験も34回ベテラントレーニーですが、打つ鐘は響くように、今も日々訓練会で可能性を磨いています。
昔出来たことは、成長と共に出来づらさもありますが、それでも動作法をやっているから今もこの身体(体幹)が保てていると感じています。

訓練会は2010年に川越動作法の会トレーニーを立ち上げ、2022年に川越動作法の会トレーナー研修を立ち上げました。

次の課題は親なき子の動作法との関わりをどう繋げていけるのか、私達よりも先輩トレーニーとそのご家族の情報を参考に、本人がいつまでも健康で使いやすい身体になっていることを願うばかりです。

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