第52回 奈良心理リハビリテイション療育キャンプ報告
奈良県肢体不自由児者父母の会連合会 仔鹿会
1.期間 2024年年8月6日(火)~9日(金)4日間
トレーニー全員日帰り
トレーナーの一部と外部講師は宿泊
2.場所 はしお元気村
3.総合指導 清水良三(明治学院大学名誉教授)
4.参加者
トレーニー 7名 特別支援学校の生徒・卒業生
トレーナー 11名 特別支援学校の教員・元教員・施設職員
研修参加者 2名 特別支援学校の教員
トレーニー保護者 8名 (父親・母親)
トレーニーヘルパー 1名
5.実施内容と感想
今年のキャンプは昨年に続き4日間の開催となりました。昨年に引き続き感染対策に注意し、毎朝の健康チェックや消毒・換気を十分行いながら進めていきました。
また、昨年のキャンプから宿泊6日間が日帰り4日間の形態となったため、昨年のキャンプ終了後に出た意見や感想をもとに、議論を重ね、今年度は外部講師をキャンプ長として招いたり、時間の使い方の見直しをしたりしました。外部講師を招くことで、トレーナー、トレーニー共に日頃体験できないからだの使い方や心の変化を感じたりすることで、学習面での充実を図りました。時間の使い方の見直しについては、タイムスケジュールを変更することで集団活動の活動時間を長くとり、内容の充実と参加者のコミュニケーションの時間がとれるようにしました。
キャンプ初日、午前中はトレーナー研修と会場・キャンプ活動の準備を行い、午後は多くのご来賓をお迎えして開会式がありました。ご来賓の皆様から励ましやねぎらいなどの貴重なご挨拶をいただき、身の引き締まる思いでした。開会式終了後は4日間一緒に動作法に取り組むトレーナーとトレーニーのペアや班の発表のあと、すぐにインテークが始まりました。外部講師がトレーニー全員の姿勢や動作を確認し、課題や今後の取り組みについてトレーニーとトレーナー、スーパーバイザー(SV)、保護者に伝えていきました。この時、すでにいつもと違うからだの感覚がトレーニーにはあり、見学者は皆、トレーニーの表情が変化していくのを感じました。
2日目からは朝の会に始まり、一日3回の訓練に取り組みました。疲れが出てくる参加者もありましたが、訓練はそれぞれの課題について、最終日に向けての仕上がりを意識しながら進めていきました。集団活動では班と全体の活動を1時間行いました。クイズでお互いのことをより知ったり、メッセージカードやメダルづくりをしたりすることで交流が深まりました。
保護者は毎日研修を受けて実技や講義によって動作法や心理リハビリテイションについての理解を深めたり、親の会の時間を通して日頃の生活の課題について話をしたり、会の活動についての課題や今後の取り組みについて話し合いをしたりすることで交流を深めました。
2日目と3日目からは2日間参加のトレーニーが1名ずついました。それぞれ、介護や家族の事情などあって全日参加は難しかったのですが、このような個々に合わせた参加の仕方も幅広い参加者を募るのにあたって大切だと感じました。
最終日は1回目の訓練の後に保護者指導の時間があり、トレーニーが4日間経験した訓練内容や成果、今後の課題についてトレーナーやSV、外部講師から説明を受け、9月の月例会に向けて家庭で取り組めることを指導していただきました。カメラやタブレット、メモを取るなどそれぞれの方法で記録をしていました。
今回、日帰りキャンプは2回目でしたが、外部講師を迎えたことで、日頃の月例会では学ぶことができない臨床動作法の考え方や心理リハビリテイションについて実感し、多くの学びがありました。トレーニーやトレーナーがからだの学習したことはもちろんですが、肢体不自由児者の保護者の生活上の悩みや課題について、家庭での動作の取り組みをきっかけに講師と話をして、気持ちを吐露できたことは、キャンプ終了後の日常生活にとって大きなエネルギーになると感じました。このことにより、親の会本来の役割について、もう一度考えるきっかけになりました。
昨年の経験を活かして、良いところは変えずに、反省点は変更しながら4日間のキャンプを無事に終えることができました。これも日頃から多くの方のご支援やご協力をいただいているおかげです。今後も、今回の経験を踏まえて、より一層充実したキャンプができるように活動を続けていきます。