【リレーエッセイ(トレーナー3)】
静岡大学 村上広美
みなさんこんにちは。今は静岡大学におります、村上広美と申します。バトンを受け取りましたので、私にとっての心理リハビリテイションについて、思いつくままに書かせていただきます。
私が動作法と出会ったのは、大学3年生のときです。配属予定だった研究室の先輩から「3食、おやつ、昼寝付きで勉強になる場所があるよ」とのお誘いを受けたことがきっかけでした。
連れて行かれた(行っていただいた)のは、“やすらぎ荘”で行われる1週間キャンプ。私は単身で参加している成人トレーニーさんの移動や食事、お風呂の介助、保護者の方と一緒に配膳準備や掃除などをするボランティアとして参加しました。当時、ボランティアは訓練や研修には参加できなかったため、訓練の裏では、保護者の皆様に各部屋で行われる“懇談”に招いていただき、美味しいお菓子とお茶をいただきながら、お子さんとの生活、動作法に参加するようになった経緯、成瀬先生やSVの先生方の若かりし頃のお話しなどを聞かせていただき、たくさんの刺激を受けて、若干興奮状態で帰宅しました。
それから徐々に、日帰り訓練会や月例会にサブトレとして参加するようになり、トレーナーをさせてもらえるようになり…、大学4年生の夏には、地方含め4か所ほどのキャンプに参加し、夏休み中ほとんど家にいない状態になるくらい、動作法の世界にどっぷりとつかっていました。
私が初めてトレーナー体験をしたのは、ピュアネットキャンプ(成人トレーニーさんが主体で実施していたキャンプ)の研修の時間でしたが、ベテランの成人トレーニーさんに身体への触れ方や声かけの仕方を教えてもらいながら、トレーニーさんに“教えてもらう”ことと“援助する”ことが同時に成り立つ「動作法」って、いったい何なんだろうと不思議な気持ちになったのを覚えています。今思えば、心理リハビリテイションが、トレーニー、保護者、トレーナーなど、そこにかかわる全ての人が“共に育つ場”であることを、身をもって体感した、最初の機会だったように思います。
その後も、動作法・心理リハビリテイションを通して、いろいろなトレーニーさん、保護者の皆様、SVやトレーナーの先生方との出会いがありました。訓練会、キャンプ、個別支援など、その形式は違っても、どの場面・時間も、今の私の基礎を形作る、大切な体験・経験となっています。動作法・心理リハビリテイションは、トレーニーさんや保護者の方と様々な変化を共有できるうれしさ、身体やこころを一緒に動かす楽しさ、自分のできなさと向き合うしんどさなど、何度参加しても、毎回たくさんの新しい発見と成長、ワクワクやドキドキがあります。
今も私にたくさんの出会いと、成長のチャンスを与えてくれている動作法。これからも、心理リハビリテイションの場に、私自身も育てていただきながら、皆様と共に歩んでいけたらうれしいです。
※一部「東海・北陸心理リハビリテイション研究会 会報(2020,No.38)」に掲載した内容を、使用しました。
※このリレーエッセイは、全国各地のトレーニー・トレーナー・保護者が徒然なるままに思いを綴っていきます。