【リレーエッセイ(トレーナー1)】
本吉 大介
私は2003年度~2012年度まで九州大学で学生をしておりました。2013年~2017年まで大阪大谷大学、現在は熊本大学に所属しております。この記事を書いているのが2022年ですので、心理リハビリテイションに関わるようになって16年が経過しました。
はじめてキャンプに参加したのは2005年12月の1泊キャンプです。初めての時というのは、いろいろなことを鮮明に思い出すことができます。事前研修で扱われた内容、サブトレーナーとして誰の何を補助していたか、閉会式前の昼食でカレーを食べながらどんな会話をしたか…。これだけ記憶に残っているので自分の中では生存に関わる重要なエピソードなのだと思います。
スポーツが心の支えだった私は、高校生の頃から人の動きについて心理学的に科学したいという動機を持っていました。九州大学に入学してから動作法に出会い、講義を受けたり本を読んだりする中で納得することが多くあり、援助技術を身に付けたいと思って参加し始めました。心理リハビリテイションにはたくさんの思い出がありすぎて、いつの何をピックアップしていいのかわかりませんが、とりわけ思い入れの強い場であることは間違いありません。
九州大学にいたころは修行の場。大阪にいた時は多様性に出会って自分の幅を広げていくチャンス。熊本にいる今はライフワークあるいはカルチャーとして楽しんでいるところです。動作法も、集団療法も、その場にいて、人が何かに向かって活動していたり、コミュニケーションをとっていたりするのを見ると充実した気持ちになります。日頃できないチャレンジをしてみたいという希望を伝えていただけると、私も船に乗せてもらったような気持ちになって意欲が湧いてきます。このようなコミュニティに参加させてもらえることの有難さに感謝しています。
今はスーパーヴァイザーとして動作法の場に関わっていますが、学生さんがトレーナーとして一生懸命に取り組んでいて、トレーニーの子どもが「気持ちが良い」とか「わかった!」とフィードバックしてくれます。その時に安心したような嬉しそうな学生さんの顔を見ると、“相互”という言葉が連想されます。“トレーナーがしてあげる”とか“トレーナーにしてもらう”という関係性に見えそうですが、トレーナーもトレーニーからたくさん受け取っています。ミーティングでは、主にからだの見立てやこころの動きの理解と支援についてディスカッションをしますが、関係性やコミュニティとしての意味についても思いを巡らせることも大切だと考えるようになりました。
何も身についていない学生の頃から、寛容にお付き合いいただいている心理リハビリテイション関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。熊本にお越しいただいたら、お渡しできるモノはありませんが、リラクセイションとかタテの体験とかしていただけるように動きやすい服装で歓迎いたします。
リレーエッセイの2周目がいつか届くことを願いつつ次の方へバトンパスします!
※このリレーエッセイは、全国各地のトレーニー・トレーナー・保護者が徒然なるままに思いを綴っていきます。