【リレーエッセイ(トレーニー2)】人生を支えて

【リレーエッセイ(トレーニー2)】人生を支えて

高嶋 義之

 私が心理リハビリテイションと出会って、31年が経ちます。対人援助職に就く礎にもなったのですが、多くの仲間との出会いを通じ、これまで月例会やキャンプに参加し続けるなかで、身体状況や環境、動作法に向かう気持ちなど様々な変化がありました。

 幼少期は「親に連れて行かれ、何となく」でした。今思えば、自身の課題や目標に自覚がなく、面倒な事から逃げていたのだろうと振り返ります。動作法の楽しさや継続の大切さに気づくまで10年以上かかりました。私の場合は、理学療法と日常の運動機会の減少と身体機能の低下を自覚できた中学生の頃から、「好きだから動作法だけは続けよう」と思えた事が転機となりました。

 さて、私は普段、兵庫教育大学動作法月例会(こすもすの会)に参加しています。特に、兵庫キャンプには20回以上の参加歴があり、休んだ期間といえば、①幼少期に数年と、②仕事の都合で10数年ぶりに1回不参加となった時ぐらいです。
 そんな②の時は1日だけ訪問させて頂きました。温かく迎えてくれた仲間、いつもと同じ雰囲気、毎年変わらない光景が待っていました。そんな中、参加ではなく、全体を見学するという新鮮な経験で感じたのは、一人ひとりの輝いた目、各ペアの真剣で繊細なやりとりのなかに、こころとからだを通した会話を感じられたような気がします。

 まさに、心理リハビリテイションの醍醐味は交流だと思っています。その日その場に集い、新人もベテランも分け隔てなく、また互いに助け合いながら動作法に取り組んだり研修をしたり、トレーニーや保護者、トレーナー、それぞれにとって様々な輪ができます。仲間同士で遊んだり、趣味の話を深めたり、先輩の体験談を聞いたり、SVやトレーナーの先生方から生活のアドバイスを受けたり、心理リハビリテイションには多くの楽しみがあります。それが今コロナ禍において制限されているのは、とても寂しい気持ちです。ただ、全国各地でできる形での活動が続いていますし、その大切さやありがたさを改めて強く感じています。

 あなたにとって心理リハビリテイションとは何ですか。

※このリレーエッセイは、全国各地のトレーニー・トレーナー・保護者が徒然なるままに思いを綴っていきます。トレーニー、次は鷲東建志さんです。

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